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RO.S.S 『Dark Cage』 第6話
2006/10/23(Mon)
先日も申し上げましたが、次回29日のGvでの九尾は既に参加先の予定が決まっていますので、今週の募集はありません。再来週以降また募集する予定ですので、皆様よろしくお願いいたします。


さて、では本題。RO.S.S『Dark Cage』の最新話です。もうすこしで折り返しですね。


これまでの話を読んでいない方はこちらからどうぞ!!


それでは、最新話をお楽しみください。


Dark Cage タイトルロゴ


RO.S.S 『Dark Cage』 第6話:運命の交錯の地 アルデバラン
「キリカ…キリカ、こっちへきておくれ」

ベッドに横たわり、息を荒くつきながら老人が彼女の名前を呼ぶ。

「私はここにいるわ。おじいさんしっかりして!」
「キリカ…もうあまり時間がない。よく聞いておくれ」
「縁起でもないこといわないで、おじいさん」

彼女は涙ぐみながら老人の手を握る。老人は彼女の手を弱弱しく握り返し、そして言葉を続けた。

「お前には過去は忘れろと言って来たが…どうしても知りたければ、アルデバランにいきなさい」
「アルデバラン…?」
「ここからそう遠くはない。そこにいけば、何かわかるかもしれ…ん…」
「おじいさん!?おじいさん、しっかりして!おじいさん!」
「すまない、キリカ…」

老人はそこで目を閉じ、無言になった。キリカはその後もしばらく老人に声をかけつづけたが、老人が彼女の呼びかけにこたえることは二度となかった。




気がつくと、既に洞窟の外は明るくなっていた。いつの間にか寝てしまっていたらしい。ふと隣を見ると、キリカが彼の肩によりかかって寝息を立てていた。既に血はふき取ってあり、いつものキリカの表情に戻っている。ディオは少し安心した。そしてそっと彼女の髪を撫でてやる。

昨日あの後、彼は彼女が眠るまでずっと彼女の頭を撫でていた。涙をこぼしながら、彼女は頭を彼の腕から離し、そして今度は彼によりかかるようにして泣いた。

正直、未だにディオは昨日の出来事が信じられなかった。今となりで寝ているこのキリカが、突然表情を変えて彼を突き飛ばし、オオカミを一匹斬り殺した挙句、血をすすっていた。なぜ彼女があんなことになったのか、全くわからないままだ。これも例の刻印が何か関係しているのだろうか。

ディオは拳を強く握り締める。そうだ、それを知るためにも、俺は彼女と共にアルデバランにいかなきゃならない。そこに、答えがあるはずだから…。

と、その時横で寝ていたキリカが目を覚ました。

「よぅ、目ぇ覚めたか?」

ディオは優しく声をかけた。

「あ…」

キリカはディオの顔を見るなり、うつむいた。そして何か言いたげな表情をしていた。だが、その前にディオが制止する。

「待った」
「え…?」
「…言ったろ?最後までお前を信じるって。だから、謝る必要なんてないさ」
「でも…」
「答えはアルデバランにある。…そうだろ?」

ディオは軽く笑って見せた。それをみて、キリカも少し気分が落ち着いたようだった。今彼女に下手に色々聞くのは、彼女に負担をかけるだけだと思ったのだ。

それに、今彼女に聞かなくても、アルデバランまでいけば何かの答えは見つかる、そう思っていた。どちらにしろ、今彼らにできることはアルデバランに行くこと、そこに必ず何かがあると信じることしかできないのだ。

「とにかく、行こう、アルデバランに」
「はい…」

二人はその後すぐに洞窟を後にし、再びアルデバランを目指して歩き始めた。





その頃、山中に設営されたプロンテラ軍の簡易宿営地で、ヴェルナーは苛立っていた。
昨日ディオ達に逃げられてから、すぐに山道に兵士達を張りこませて検問を設けたり、付近を捜索したりしたが、二人の行方は未だにわかっていないのだ。

不機嫌そうに彼はマリーが入れたコーヒーを口に運ぶ。マリーもそんなヴェルナーのそばにいるのが気まずかった。

と、そこへ兵士が一人入ってくる。

「報告します!罪人2名が潜伏していたと思われる洞窟を発見しました!」
「それで、やつらは見つかったのか?」
「それが…すでに出た後だったようで、まだ発見できておりません!」

ヴェルナーはコーヒーカップを机の上にドンと置いた。兵士もマリーも一瞬びくっとして彼のほうを見る。だが、ヴェルナーは怒鳴り声を上げることはなく、少し考えて、兵士に命じた。

「今までの足取りからみて、奴らが向かっている先はアルデバランに間違いないだろう。よし、街道に沿ってアルデバランまで移動するぞ。すぐに準備をしろ!」
「はっ!」

兵士は慌ててテントを飛び出していく。マリーは少しホッとした。

だが、彼女の心の中は複雑だ。今彼女達が追っている罪人2人のうち、1人は弟のように思っていたあのディオだ。未だに彼がなぜこのようなことをしでかしたのか、わからなかった。彼を聖騎士団に入るように進めたのも彼女なのだ。

だが、罪人である以上最悪の場合彼女自身が彼を手にかけなければならないかもしれない。そう思うと、どうしてもためらいがでてくる。しかし、これは任務なのだ。そして彼女自身、ヴェルナーの命令は絶対で、それに背くことはできない。

葛藤を抱えたまま、彼女はヴェルナーと共にテントをあとにした。





その日の昼過ぎ、ディオ達は街道からかなり離れた道なき山道を必死に登っていた。

軍の連中が街道沿いに網を張っていることくらい、彼らにもわかっている。だから足場が悪くても迂回して山道をいくしかないのだ。

まだ歩き始めて数時間しかたっていないが、今日はとりわけディオは息が荒くなるのが早かった。険しい山道であるということもあるのだが、どうも昨日の一件があってか、貧血気味らしい。

だが、彼は弱音をはかず、キリカと共に歩いていく。彼をそこまでさせるのは、彼女への思いと彼女の過去をはっきりさせたいという気持ちである。

やがて山の中腹を過ぎたあたりで、ふと後ろのキリカの気配が遠くなった。

「キリカ、大丈夫か?疲れたなら少し休憩…」

気になったディオがそういいながら振り返ると、キリカは少し離れたところで倒れていた。驚いて、すぐに彼は斜面を滑りながら彼女の元へと駆け寄る。

「キリカ!? しっかりしろ、キリカ!?」

彼女の体を軽くゆするが、キリカの反応はない。

(まさか…まだ血が足りなかったのか…!?)

昨日の出来事が思い出されて、ディオは不安になる。だが、彼女は今度は我を忘れて暴れるでもなく、ただ荒く呼吸をついているだけだった。ディオが彼女の額に手をやると、一瞬でそれとわかるぐらい、彼女の額は熱かった。

(ひどい熱だ…そうか、昨日水に入ったから…)

焚き火を炊いて乾かしはしたものの、どうやらそれでは十分ではなかったらしい。あるいは、例の症状の副作用なのかもしれないが…。

あいにく、薬は持ち合わせておらず、辺りには熱が収まるまでゆっくりと休憩できるような場所もない。それに、この熱がもし例の症状の副作用なのだとしたら、また何が起こるかわからない。

とにかく、一刻も早く山を越えるしかない。そう思ったディオは、荷物を手に持ち替えて彼女を背負い、急な斜面を登り始めた。

彼とて体力的に十分というわけではなかった。ただでさえ貧血気味な上に、昨日作った切り傷が一歩歩くごとに痛む。おまけにこの斜面を人一人背負って歩くのだ。彼自身、そう長くは持たないだろう。

だが、彼は黙って歩き続けた。この山を越えればアルデバランはすぐそこであるし、彼女の治療もできるはずだ。もっとも街の入り口には既に検問が張られているだろうからそう簡単には入れないだろうが、それでも今ここでじっとしているよりも彼は進むことを選んだ。

とにかく、今は彼女のために何かしてあげたかった。昨日の夜、あんなに悲しそうな表情で涙を見せた彼女のために。

ひたすら歩き続け、ようやく二人は頂上へとたどり着く。頂上からは山の向こう側が一望できて、その視界の中についに目指すアルデバランの街が見えた。

「あれが…アルデバラン…」

ディオは汗をぬぐいながら、キリカを背負いなおした。そして山の向こうに広がるその街を一通り見回す。中心には時計塔が聳えており、プロンテラに負けないくらい大きな街だった。

再び彼は歩き始める。今までとは打って変わって、今度は急な下りだ。途中何度も足を滑らせ、そのたびにすり傷や切り傷を作る。しかしディオはとにかくキリカを落とさないように注意しながら、少しずつ斜面を降りた。

やがて空が赤く染まり、陽が沈みかけた頃、彼らは山を降りきった。そして既に町並みがはっきりと見えるほどの位置に迫った街を目指して彼は歩き続ける。

だが、もはやディオの体力も限界に近づいた。そしてついにディオの足がとまり、その場に倒れこむ。考えてみれば昼間以来、ほとんど休憩も取らずに彼女を背負って歩き続けたのだ。立ち上がろうと手足に力をいれるが、思うように体が動かない。体中泥と埃まみれで、彼自身も呼吸が激しくなっていた。

(くそっ…あと少しなのに…)

すぐ横には意識を失って倒れているキリカの姿があった。

彼の頭の中に8年前のあの日の光景がよみがえる。あの時流行病に犯されて彼は倒れ、わずかに意識を保ちながら空を見上げつつ、死を覚悟していた。その時の感覚に似ている。そしてあの時はハルエラが助けてくれた。しかし今度は…。

段々と意識が薄れていく。近くで何か音がしたように思えたが、それが何なのか確認する気力さえ今の彼には残っていなかった。


(第7話に続く)





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